アメリカ留学の準備にあたって、パスポートの取得は最初の重要なステップです。しかし、初めてパスポートを取得する方は、手続きが難しいと感じることもあります。
この記事では、パスポート取得に必要な書類や申請手数料、受け取り時の注意点などの基礎知識を解説します。記事を最後まで読み、自信を持って留学準備の第一歩に踏み出してください。
アメリカ留学に向けたパスポート取得の基礎知識
アメリカへ留学する際には、パスポートの取得が必須です。アメリカ留学に必要なパスポートの基礎知識として、以下の内容を解説します。
- パスポートの種類
- パスポートの有効期限
パスポートの種類
パスポートには渡航目的や身分に応じて、以下の種類があります。
- 通常旅券:一般的な私用旅行やビジネスでの海外出張に使用する
- 公用旅券:公務での海外派遣に使用する
- 外交旅券:外交官と家族が使用する
- 緊急旅券:緊急で海外に行かなければならないとき、限定的に発行される
パスポートは、国外へ渡航する際に必要な国際的な身分証明書です。持つ人の国籍や身分を示すために発行されます。日本のパスポートのサイズは統一されています。
ほとんどの方は通常旅券以外の旅券を見ることはありませんのでここからは通常旅券の解説です。
パスポートの有効期限
パスポートの有効期限は成人の場合10年間、未成年者は5年間です。訪問先の国によっては、残存有効期限が6か月以上ないと入国を認められないことがあります。出発前には有効期限をしっかり確認しましょう。
パスポートは有効期限が切れる前後に更新できます。新たなビザを取得してもパスポートの有効期限後の滞在許可は得られないため、長期滞在の場合は特に注意が必要です。旅行計画を立てる際は、パスポートの更新にも余裕を持って対応しましょう。
アメリカ留学前のパスポート申請の流れ
パスポートの申請は、アメリカ留学へ出発する前の大切な手続きの1つです。手続きをスムーズに進めるためには、申請の流れを理解しておく必要があります。
以下の3つのステップに分けてパスポート申請の流れを解説します。
- 書類をそろえる
- 申請する
- 受領する
書類をそろえる
パスポート申請では、まず必要な書類をそろえることが大切です。書類がそろっていないと、申請が進まないため、事前にしっかりと準備をしましょう。
必要な書類は以下のとおりです。
- 一般旅券発給申請書
- 最新の顔写真(サイズと背景色の規定あり)
- 戸籍謄本・住民票
- 本人確認書類(運転免許証や学生証など)
書類を用意したら、旅券発給手数料の支払い準備も行いましょう。申請日時を予約し、忘れず記録しておくことも大切です。
申請する
パスポートの申請手続きは、最寄りのパスポートセンターや役場で行えます。待ち時間を短縮するために、インターネットで事前に申請予約を行うのがおすすめです。申請の前に必要書類を一式そろえておきましょう。書類に記入漏れや不備がないか、しっかりと確認してください。
書類を提出した後は手数料を支払い、領収書を受け取ります。申請が受理されると、パスポートが発行されるまでの期間が案内されます。発行までの期間は留学の計画に影響を与えることもあるため、しっかり覚えておきましょう。
受領する
パスポートを受領するためのステップは以下のとおりです。
- パスポートの受領通知が届くのを待つ
- 受領通知の指定された受領場所と時間を確認する
- 本人確認のための書類を持参して受領場所へ向かう
- パスポートを受領する
受領の際は、本人確認書類として運転免許証や健康保険証などを持参する必要があります。受領までの流れを把握しておけば、スムーズにパスポートを手に入れられます。
アメリカ留学時のパスポート申請に必要な書類
パスポート申請の際は、必要書類を事前に把握しておきましょう。パスポート申請に必要な以下の書類と取得方法について解説します。
- 一般旅券発給申請書
- 戸籍謄本
- 住民票の写し
- 写真
- 本人確認できる書類
一般旅券発給申請書
パスポートを申請する際に不可欠な書類が、一般旅券発給申請書です。一般旅券発給申請書の主な内容は以下のとおりです。
- 名前
- 住所
- 希望するパスポートの種類や有効期間
- 顔写真
- サインまたは印鑑
- 未成年者の場合は親権者の同意を示す書類
申請書には正確な情報を記入し、記入ミスがないことを確認してください。申請書はパスポートセンターや市区町村の窓口で入手できるほか、インターネットからダウンロードもできます。申請書以外の必要書類と併せてパスポートセンターなどに持参し、担当者の確認を受けると申請手続きが進められます。
戸籍謄本
戸籍謄本は、日本での公的身分証明書の一つです。戸籍謄本には以下の内容が記録されています。
- 氏名
- 生年月日
- 出生地
- 性別
- 家族関係
- 結婚や養子縁組など
パスポートの申請では本籍地を証明する必要があるため、戸籍謄本が必須です。戸籍謄本は市区町村の役場や窓口で申請可能です。申請には手数料がかかり、発行されるまでに数日かかることもあるため、手続きは余裕をもって行いましょう。
戸籍謄本の請求は、原則として本人または直系親族だけが行えます。戸籍謄本に有効期限はありませんが、手続きを行う際には指定期間内に取得した戸籍謄本を求められることが多いです。
戸籍謄本には「全員分」と「個人分」の二種類があります。海外留学時は、世帯全員の情報が記載されている「全員分」の提出を求められることが多いです。「個人分」は個人の情報のみが記載された謄本です。必要に応じたものを請求しましょう。
住民票の写し
住民票の写しには本籍地の記載がない場合もあります。パスポート申請時には、本籍地が記載されているものを用意する必要があります。市区町村役場で、本人あるいは代理人が発行を申請できます。通常、窓口で即日発行が可能です。発行手数料は自治体により異なりますが、大体300円程度です。申請時には、本人の氏名と住所が記載された身分証明書を提出する必要があります。
海外留学のためのパスポート申請では、住所変更がない限り最新の住民票を提出することが重要です。留学の手続きに必要な他の書類とともに、計画的に取得しましょう。
» 留学中、住民票はどうする?
写真
パスポート申請に使用する写真は、特定の基準を満たしている必要があります。写真を撮る際は以下の点に注意しましょう。
- カラー写真である
- 背景は平面の無地である
- カメラに正面を向いて撮影する
- 頭部から肩まではっきり映っている
- カメラを直視する
- 帽子・サングラスは付けない
- 顔全体が見える状態にする
- 撮影は6か月以内にする
- 指定のサイズにトリミングする
- 高解像度で鮮明な画像である
- 影や反射のない均一な照明下で撮影する
プリント写真を使用する場合は、紙質が良好でしわや折れ、汚れがないものを選びましょう。デジタル写真を提出する場合は、指定のファイル形式と解像度であることを確認してください。
本人確認できる書類
パスポートの申請では、正確な身元を証明するための書類が必要です。申請の際は以下の写真付きの身分証明書を使用するのが一般的です。
- 運転免許証
- 学生証
- 職員証
- マイナンバーカード
健康保険証や年金手帳のように写真がない書類を使用する場合は、補助的な書類が追加で必要になる可能性があります。外国籍の方は、在留カードや特別永住者証明書が必要です。身体障害者手帳も本人確認書類として使用できます。
パスポート申請の手数料と支払い方法
パスポート申請時には手数料の支払いが必要です。支払いに関する以下の2点を詳しく解説します。
- パスポート申請にかかる手数料
- 利用できる支払い方法
パスポート申請にかかる手数料
パスポートを申請する際は、事前に手数料を把握しておきましょう。パスポートの種類別手数料は以下のとおりです。
- 成人(20歳以上)の10年有効パスポート:16,000円
- 成人の5年有効パスポート:11,000円
- 12歳以上20歳未満の10年有効パスポート:11,000円
- 12歳以上20歳未満の5年有効パスポート:6,000円
- 12歳未満の5年有効パスポート:6,000円
初めての申請や再発行の際は、追加手数料がかかることがあります。緊急時の速達発行を希望する場合にも、通常手数料に加えて追加料金が発生します。
利用できる支払い方法
パスポート申請の際は、以下の支払い方法から選択可能です。
- 現金(収入印紙と領収証紙に振替)
- クレジットカード(オンライン申請のみ)
利用可能な支払い方法は事前に確認しておくと、スムーズに手続きが進められます。申請が却下された場合も払い戻しはされない点に注意が必要です。
パスポート受け取り時の注意点
パスポートの受け取りは、申請時に指定した場所(パスポートセンターや市区町村役場)で行います。受け取りの際は、申請時にもらった受領証を持参する必要があります。
受け取り時にはパスポートの内容を確認し、誤りがないかチェックしましょう。パスポートを保護するため、ケースやカバーを用意するのがおすすめです。
以下の重要な注意点についても詳しく解説します。
- 必ず申請者本人が受け取る
- 発行日から6か月以内に受け取る
必ず申請者本人が受け取る
パスポートは公的な身分を証明する重要な書類のため、受け取りは必ず申請者本人が行う必要があります。代理人による受け取りは、原則として認められていません。
受け取りの際は身分を証明する書類と、本人証明のための署名も求められます。未成年者がパスポートを受け取る場合は、保護者の同伴が求められるケースもあります。パスポートは個人の国際的な移動を許可する重要な書類であるため、ルールの遵守が必須です。
発行日から6か月以内に受け取る
発行されたパスポートは、発行日から6か月以内に受け取らなければいけません。発行日を過ぎて6か月以上受け取っていないパスポートは無効となり、取得するには再申請が必要です。
受け取り期限が近づくと受理センターや領事館から通知が来る場合もあるため、連絡には注意を払いましょう。受け取りが遅れた場合、申請手数料など既に支払った費用の返金はありません。
アメリカ入国審査時に必要なもの
アメリカ入国審査時に必要な書類も、事前に準備しておきましょう。具体的には、以下の提出を求められる場合が多いです。
- 有効なパスポートやビザ
- ESTAの承認(ビザ免除プログラムに該当する場合)
- 入国カード
- 滞在中の住所情報など
時期によっては健康状態に関する情報や、COVID-19関連の書類も必要となるケースがあります。事前に最新の情報を確認しておくことで、入国審査がスムーズに行えます。ビザの種類によって、入国審査の方法が異なる点にも注意が必要です。
以下の2つのケースを解説します。
- 学生ビザの場合
- ESTAの場合(ビザなし)
学生ビザの場合
学生ビザ(F1ビザ)は、学業を目的とした長期滞在用ビザです。アメリカに学生ビザで入国する場合は、SEVISフォームI-20の提示が必須です。SEVISフォームI-20は学生が登録された教育機関から発行される書類で、重要な学籍情報が記載されています。
滞在期間中に緊急で国外へ移動する可能性に備え、パスポートの有効期限は入国後最低6か月以上残っている必要があります。入国審査時には入学する学校名と学習目的を明確に説明し、ビザの目的に合った活動を行う意志を伝えなければいけません。
学生ビザの期限にも注意が必要です。学生ビザは通常、コースの期限内に学業を完了することを前提として発行されています。予定に変更がある場合は、期限切れになる前に更新手続きを行いましょう。
» アメリカ留学に必要なビザの取得方法を解説!
ESTAの場合(ビザなし)
アメリカへ短期滞在する場合は、ビザの代わりにESTA(電子渡航認証システム)を利用できます。ESTAは特定の条件を満たす旅行者であれば、オンラインによる事前申請で渡航許可が得られるシステムです。頻繁にアメリカを訪れる旅行者はESTAを活用すれば、ビザ申請の手間を大幅に省けます。
ESTAの申請は、渡航予定日の少なくとも72時間前までに完了させる必要があります。承認されたESTAはパスポートの有効期限内であることを条件として、2年間有効です。承認後は有効期間内であれば、複数回(各訪問は90日以内)の訪問ができます。
海外渡航の際は以下の登録をお勧めします
海外留学では情報はとても重要です。また安否確認の際も出国記録だけでは確認に非常に時間がかかります。
安全な渡航のためのも以下のページでの登録が推奨されています。(引用元:外務省ホームページ)
3ヶ月未満の渡航:たびレジ
「たびレジ」は、海外旅行や海外出張される方が、旅行日程・滞在先・連絡先などを登録すると、滞在先の最新の渡航情報や緊急事態発生時の連絡メール、また、いざという時の緊急連絡などが受け取れるシステムです。メールの宛先として、ご自身のアドレス以外にご家族や職場のアドレスも登録できます。
3ヶ月以上の渡航:ORR Net
海外に住所または居所を定めて3か月以上滞在する人は、旅券法第16条により、その地域を管轄する日本大使館または総領事館に速やかに在留届を提出することが義務付けられており、ORRnetによる登録が便利です。
(注)在留届電子届出システム「ORRnet」は、海外への滞在を開始後にご登録をお願いします。
まとめ
アメリカ留学の準備において、パスポートの取得は欠かせないステップです。パスポートの申請のステップには、書類の準備や手数料の支払いなどが含まれます。申請書、戸籍謄本などの書類は早めに準備しましょう。
申請手数料は事前に確認し、指定の方法で支払う必要があります。パスポートは発行日から6か月以内に本人が受け取る必要があるため、受け取りを忘れないようにしましょう。
パスポートの申請から受け取りまでのプロセスをしっかりと理解しておけば、スムーズに準備を進められます。パスポート申請の基礎知識を活用し、アメリカ留学への確実な第一歩を踏み出してください。
» 留学準備の最適プランニング
» パスポートの申請から受領まで(外務省HP)