- 国際通話のかけ方と注意点は?
- 海外と日本間の効率的でリアルタイムな通信手段は?
- 時差を考慮した最適な通話時間は?
海外から日本に電話する際、仕組みを理解していないと高額な通話料が発生したり、通信が不安定になる可能性があるため注意が必要です。この記事では、長期滞在中に海外から日本へ簡単に電話をかける方法や、国際電話の基本情報、注意点を具体的に説明します。この記事を読めば、海外からでも安心して日本に連絡できます。
海外から日本に電話する際のポイントを押さえることが重要です。海外から日本に電話をかけるための準備をして、快適な国際電話を楽しみましょう。
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海外から日本に電話をかける方法
海外から日本に電話をかける方法には「携帯電話」「固定電話」「インターネット電話」の3つがあります。さらに細かくシチュエーションを分けると、以下の5つの場合に分けられます。
- 携帯電話を使う場合
- 公衆電話を使う場合
- ホテルの電話を使う場合
- SkypeやLINEなどのアプリを使う場合
- インターネットカフェやWiFiスポットを利用する場合
携帯電話を使う場合
携帯電話で海外から日本へ電話をかけることは可能です。固定電話番号へかけるのか、携帯電話番号へかけるのかでそれぞれ操作の方法が異なります。携帯電話を使用する場合は、まず現地で使用可能な携帯電話を用意しましょう。
日本で使用している携帯電話でも、海外から日本に電話をかけることが可能です。日本の携帯電話を海外で使用する場合にはSIMロック解除と、現地の周波数に対応していることが必要です。アメリカでは日本と周波数が異なるため、電話できない場合もあります。iPhoneはほとんどが使用可能です。
日本で使っている携帯電話が使用できるかどうかの確認は、現地のSIMカード販売会社に問い合わせると確実です。アメリカで日本の端末を使用する場合、「AT&T Mobility」「T-Mobile US」の回線が多く使われています。「AT&T Mobility」「T-Mobile US」はアメリカの大手キャリア企業です。
現行の携帯電話を国際ローミングプランにしたり、ポケットWiFiを持参したりする方法もありますが、長期滞在には向きません。通信料金が高額になってしまうためです。長期滞在の場合は現地のSIMカードを購入するか、現地の携帯電話を購入またはレンタルする方がおすすめです。
固定電話番号へのかけ方
海外の携帯電話から日本の固定電話にかける際の手順を、アメリカから日本(03-1234-5678)にかける場合を例に紹介します。
- アメリカの国際プレフィックス「011」を入力
- 日本の国番号「81」を入力
- 0を省略した市外局番以降「3-1234-5678」を入力
- 発信
国際プレフィックスは、国際電話をかける際に最初に入力する番号です。国際プレフィックスは国によって異なります。アメリカの国際プレフィックスは011です。
市外局番の最初の「0」は本来市外局番ではなく、国内プレフィックスと呼ばれる番号です。国内通話を示す合図の役割を持っているため、国際電話の場合は省略します。市外局番まで入力できたら、電話番号が正しいことを確認して発信しましょう。
携帯電話番号へのかけ方
携帯電話から携帯電話に電話をかける際も、固定電話のときと手順は同様です。日本の国番号「81」を入力してから、最初の「0」を省略して入力します。相手先の携帯電話番号が「090-1234-5678」の場合、国番号以降の入力は「90-1234-5678」です。
固定電話を使う場合
固定電話の場合は「公衆電話」を使うか「ホテルの電話」を使うかで電話のかけ方が異なります。
公衆電話を使う場合
公衆電話から日本に国際電話をかける手順は基本的に携帯電話の場合と同様です。ただし、電話番号をダイヤルする前の手順に注意が必要です。公衆電話を利用してアメリカから日本に電話をかける(例:03-1234-5678)方法は以下のとおりです。
- 受話器を上げる
- アメリカの国際プレフィックス「011」をダイヤルする
- 日本の国番号「81」をダイヤルする
- 0を省略した市外局番以降「3-1234-5678」をダイヤルする
- 受話器から流れる1分でいくらというメッセージに従って案内された以上の金額を公衆電話に投入する
アメリカの場合は都市によって、最初に公衆電話に最低料金(50セントなど)を投入する必要があります。公衆電話で使用できるお金は5、10、25セント硬貨のみなので注意が必要です。2016年からは新型の「LynkNYC」と呼ばれるハイテク公衆電話が普及しています。
ハイテク公衆電話「LynkNYC」は薄型の電光掲示板のようなかたちをしており、従来の公衆電話よりも多く普及しています。アメリカ国内通話は無料ですが、国際電話をかけるにはコーリングカードと呼ばれるテレフォンカードが必要です。コーリングカードはデリやコンビニで購入が可能です。
通話をするにはタブレット部分の電話マークアイコンをタップします。タップするとキーパッドが出るので、電話番号を入力し「Call Button」を押します。通話を終了する際に押すものは「End Call button」です。公衆電話は、空港や駅、商業施設内に設置されていることが多いです。
ホテルの電話を使う場合
ホテルから日本に電話をかける際も国際プレフィックスからダイヤルしますが、外線に接続するための番号が必要な場合があります。国際プレフィックス以降の番号のダイヤル方法は公衆電話と同様です。「011」の後は国番号の「81」その後、0を省略した市外局番以降「3-1234-5678」になります。
ホテルの電話を使用する際は、フロントまたは客室サービスに国際電話が可能かどうかと、料金体系を確認しましょう。料金はホテルによって大きく異なり、高額になることも少なくありません。通話料金は通常、滞在費と合わせてチェックアウト時に支払います。
インターネット電話(VoIP)を使う場合
インターネット電話(VoIP)はインターネットを通じて音声やビデオ通話を行う技術です。通常の電話線を使わずに済むため、高い国際通話料金を節約できるのが大きな利点です。インターネットに接続できれば、専用アプリをインストールするだけで世界中のどこからでもVoIPを利用できます。
多くのVoIPサービスはアプリ間の通話が無料です。固定電話や携帯電話への通話も無料または格安で利用できるプランが用意されている場合が多いです。通話品質はインターネット速度などに左右されるため、良好な回線状態の確保が求められます。VoIPサービスを利用して国際電話をするには以下の方法があります。
- SkypeやLINEなどのアプリを使う
- インターネットカフェやWiFiスポットを利用する
SkypeやLINEなどのアプリを使う場合
SkypeやLINEのようなアプリを使用すれば、インターネットに接続している限り、世界中から通話が可能です。アプリで通話をする際の利点は、高額な国際電話料金の心配が不要になることです。通話相手も同じアプリを使っていれば、多くの場合通話料が無料になります。
SkypeやLINEなどを利用する際は、スマートフォンやパソコンにアプリのインストールとアカウント作成が必要です。Skypeの場合はクレジットを購入することで、アプリから直接電話番号にかけられます。LINEでは相手を友達に追加すれば無料で通話することが可能です。
SkypeやLINEアプリにはビデオ通話やチャット機能も搭載されています。ウェブカメラやマイクを使用して顔を見ながら話したり、テキストメッセージを送ったりすることが可能です。通話品質はインターネット速度に影響されるため、安定した通信環境が重要です。
インターネットカフェやWiFiスポットを利用する場合
インターネットカフェやWiFiスポットを利用する際は、安全なネットワーク環境が提供されているかどうかの確認が必要です。WiFiスポットを選ぶ際はセキュリティの強度を確認するために、公衆無線LANサービスの利用規約に目を通しましょう。インターネットカフェやWiFiスポットの帯域幅の確認も必要です。
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海外から日本へ電話をするための基本情報
海外から日本へ電話をする際に知っておいた方が良い内容を紹介します。
- 国番号
- 国際アクセスコード(プレフィックス)
- 日本の電話番号の特徴と地域コード
- 固定電話と携帯番号の番号携帯
国番号
国番号とは国際電話をかける際に必要な、各国や地域に割り当てられた1〜3桁の数字です。国番号は国際電気通信連合(ITU)によって定められており、国ごとに異なります。国際電話をかける際に、発信者がどの国に電話をかけているかを識別するために使用されます。主な国番号は以下のとおりです。
- 日本:81
- アメリカ:1
- カナダ:1
- イギリス:44
- フランス:33
- ドイツ:49
- イタリア:39
- 中国:86
- オーストラリア:61
国際アクセスコード(プレフィックス)
国際アクセスコードは、国際電話をかける際に使用する番号です。発信国から他の国に電話をかけるための識別子として機能しています。国際アクセスコードは国際電話をかける際に、一番最初に入力します。主な国際アクセスコードは以下のとおりです。
- 日本:010
- アメリカ:011
- カナダ:011
- イギリス:00
- フランス:00
- ドイツ:00
- イタリア:00
- 中国:00
- オーストラリア:0011
日本の電話番号の特徴と地域コード
日本の電話番号は通常10~11桁で、0から9までの数字を組み合わせて構成されています。一般的な固定電話の電話番号は「0-市外局番-市内局番-加入者番号」という電話番号の構成です。市外局番の前の「0」は国内プレフィックスと呼ばれ、国内通話を示すための番号です。
国内プレフィックスに続く市外局番は1~4桁で構成され、地域ごとに区別されています。市外局番の1桁目は、北から南へいくにつれて数字が大きくなります。市外局番の例は以下のとおりです。
- 東京:3
- 大阪:6
- 横浜:45
- 京都:75
- 神戸:78
- 旭川:166
- 松本:263
- 栃木:282
- 鳥取:857
- 宮崎:985
- 伊豆大島:4992
市内局番は1~4桁で構成されており、総務省が電話会社ごとに指定してきます。市外局番と市内局番の桁数はあわせて5桁です。電話番号がたくさん必要な地域では市内局番の桁数が長くなります。特別なサービス番号や緊急電話は構成が異なり、警察は「110」消防や救急は「119」です。
携帯電話番号は、地域に依存しないという特徴があり「070」「080」「090」といった番号で始まります。今では見かけることの少ない発信者課金ポケベルは「0204」から始まる11桁の番号です。
固定電話と携帯番号の番号
固定電話番号と携帯電話番号には、それぞれ独自の特徴があります。固定電話番号は地域ごとに割り当てられた市外局番から始まり、続けて市内局番と個別の番号があります。一方で、携帯電話番号には地域を示す区分はありません。固定電話同士の通話と、固定電話と携帯電話間の通話では料金が異なる場合があります。
海外から日本に電話をかける際の注意点
海外から日本に電話をかける際の注意点を紹介します。
- タイムゾーンの違い
- 通話事情の違い
- 電話番号の初めの0を抜く理由
- 国際ローミングと電話料金
- 通話品質やセキュリティ
タイムゾーンの違い
タイムゾーンは地球上の特定の地域で使用される標準時間の区分です。地球は自転しているため、異なる地域で異なる時間が存在します。タイムゾーンは通常、世界協定時刻(UTC)を基準にしており、UTCからの差を示す形で表されます。日本のタイムゾーンは「UTC+9」です。
タイムゾーンの設定は、国や地域ごとに異なり、サマータイムを採用している場所もあります。サマータイムは主に夏の日照時間を有効に活用するために、時計の時間を通常よりも1時間進める制度です。サマータイムを実施する国や地域では、時期によりタイムゾーンが異なります。
広大な国土を持つ国では、国内でも複数のタイムゾーンが存在することがあり、それぞれの時差の把握が必要です。アメリカのタイムゾーンは6つ存在します。多くの地域ではサマータイムも導入されいます。アメリカと日本のタイムゾーンごとの時差は以下のとおりです。
タイムゾーン区分 | 日本との時差 | 日本との時差 (サマータイム時) | 主な都市 |
イースタン・タイムゾーン | 14時間 | 13時間 | ニューヨーク、ワシントン、ボストン、フィラデルフィア、アトランタ、デトロイト、マイアミ |
セントラル・タイムゾーン | 15時間 | 14時間 | シカゴ、ヒューストン、ダラス、ニューオリンズ、ミネアポリス、セントルイス |
マウンテン・タイムゾーン | 16時間 | 15時間 | フェニックス、デンバー、ソルトレークシティ、エルパソ |
パシフィック・タイムゾーン | 17時間 | 16時間 | ロサンゼルス、サンフランシスコ、ラスベガス、シアトル |
アラスカ州 | 18時間 | 17時間 | アンカレッジ |
ハワイ州 | 19時間 | サマータイムなし | ホノルル |
相手国との時差を考慮せずに電話をかけると、不適切な時間帯で相手を起こしてしまうおそれがあります。オンラインで利用できる時差計算ツールやアプリを活用し、正確な時差情報を把握することが大切です。
通信事情の違い
通信事情は国や地域によって大きく異なります。携帯電話の普及率が高い国もあれば、通信インフラが十分に整っていない場合もあります。電話をかける際に接続料金が高額になる国や地域もあるため、注意が必要です。
VoIPサービスを利用する際にも、国によっては特定のアプリが使えないことがあります。ネットワークのセキュリティが不十分な地域では、個人情報漏洩のリスクが高まるため注意が必要です。天災や政治的な不安定さによって通話品質が悪化する可能性もあります。
電話番号の初めの0を抜く理由
国際電話において電話番号の初めの0を抜く理由は、初めの0が国内市外通話を示す符号だからです。海外にから日本に電話したい場合は国際電話用の国番号「81」が先に来るため、その後の0は省略されます。日本以外でも0を抜くことが多いですが、イタリアのように例外的に0を抜かない国もあるため事前に確認しましょう。
国際ローミングと電話料金
国際ローミングを使用すると、海外でも日本で使用している携帯電話で音声通話やSNSが可能です。国際ローミングは国内で契約している通信事業者を通じて、海外でもそのまま通信サービスを利用できる仕組みです。国内利用と比較して高い料金であることが多く、料金は訪れる国や利用する携帯電話会社によって異なります。
高額請求を避けるためには、事前に適切なローミングプランに加入することが重要です。多くの通信事業者は、ローミング用の定額料金プランを提供しています。定額料金プランの利用することで予想外の高額請求を防げます。
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通話品質やセキュリティ
通話品質は使用する場所やサービスによって異なるため注意が必要です。電話する場所によっては話し声が遅れたり、エコーのように聞こえたりする場合もあります。ホテルや公共の場所で利用するWiFiは、セキュリティ上安全でない可能性があるため注意しましょう。
インターネットを利用した電話サービスを使用する場合は、追加のセキュリティ対策としてVPNの使用も有効です。高品質の通話を確保するには、信頼できるサービスプロバイダを選ぶことが大切です。
まとめ
海外から日本に電話をかける際は、以下のポイントに気を付けましょう。
- 国際アクセスコード
- 国番号
- 日本の電話番号の構造
- タイムゾーンの違い
- 通信事情
- 国際ローミング料金
- 通話品質とセキュリティ
以上のポイントに気を付ければ、海外と日本でもスムーズに通話できます。快適に国際電話をしつつ、海外の滞在を有意義にさせましょう。